お客様からのお問い合わせメール。
よくあるのが次のようなお問い合わせです。
「大学の2年生です。
今年の9月から中国に留学したいと思います。
おすすめの大学を紹介してください!」
うーん、申し訳ないんですけどね。
絶対にご紹介しません。
いや、別に意地悪してるんじゃないんです。
ご紹介しませんというか、
ご紹介できないんです。
だってみなさん、逆の立場で考えてみてください。
みなさんだったら何大学を紹介しますか?
というか、紹介できますか?
だって私、この人のこと、なーんにも知らないんです。
知ってるのは、
●大学2年生
●9月から留学
これだけです。
たったこれだけの情報で、
どうやったらこの人にベストの大学を紹介できますか?
もっと情報ください。
もっと材料をください。
●何を求めて留学するのか?
●どんな人なのか?
●大学に求める条件は何か?
●予算はどれくらいか?
●寒くても大丈夫か?
●辛いものが苦手とかないか?
●ド田舎でも耐えられるか?
などなどなど。
材料がないとおすすめのしようがない!
いや、もちろんおすすめするのは簡単です。
これでも私、中国留学のプロですから、
どんな大学でも魅力的に語ることはお手の物です。
美辞麗句をちりばめて、
この人をその大学に入れる。
やろうと思えばできます。
我社にとって都合の良い大学に、
何じゃかんじゃと理由をつけて、
うまい具合にその大学に押しこむ。
朝飯前です。
けど、
それじゃ、お客様の満足度が上がらない。
不満の引き換えにお金をもらっても楽しくない。
だから私は紹介しません。
情報量が不十分なお客様には、
絶対に具体的な大学をおすすめしません。
その代わり、
いつもこんなふうに返信します。
「大学に求める条件を、
1.箇条書きで
2.優先順位をつけて
ご提示ください。」
私はこれが、留学カウンセラーのあるべき姿勢であり、
留学に携わるものの倫理観の現れだと思っています。
留学情報サイトを見ていると、
●絶対のおすすめ「○×大学」
●人気ランキングナンバー1「△□大学」
こんなのをよく見かけます。
これ、まったく意味ないです。
断言しますが、100%意味ない。
なぜか?
★基準が示されていない
みなさん、よくよく考えてみてください。
「絶対のおすすめ」って、
何を基準におすすめしてるんでしょうか?
例えば、
●上海のど真ん中にあって便利
●知名度が高い
●観光スポットにも近い
こういう基準で「絶対のおすすめ」だとしましょう。
この大学、
あなたにとって「おすすめ」ですか?
●上海のど真ん中とかどうでも良い
●知名度は気にしない
●観光する気もゼロ
そんな人にとっては基準が全くズレている。
勝手に基準を決めてくれるな、って話です。
それどころか、
●騒々しいところは苦手
●知名度が高いと留学生が多くなりすぎるからイヤ
●観光スポットの近所は飲食店が高いから困る
こういう人にとっては、
「絶対のおすすめ」どころか、
「絶対に最悪」の大学です。
「基準」がない「おすすめ」なんて、
まーったく意味がないんです。
それから、こういうメールもよくいただきます。
「大学の友人に中国人留学生がいるんですが、
彼が○×大学がおすすめだと言ってました。
そこに留学しようと思うんですけど、まだ間に合いますか?」
間に合わない方が良いでしょうね。
この人にとっては。
自分で大学選びの基準を作って、
その基準を中国人の友人に示して、
彼がその基準に照らし合わせておすすめしてくれた。
だったらOKでしょう。
でもそんな人ってほとんどいません。
漠然と、
「留学するんだけど、どの大学が良い?」
って聞いて、
聞かれた相手も基準とか確かめずに、
「あぁ、○×大学が良いよ~」
ほとんどがこのパターンです。
もちろん、相手は相手なりの基準で選んでます。
中国で有名だとか、偏差値が高いとか、
自分のふるさとに近いとか。
で、その基準が自分の求める基準と違ってたらどうしますか?
間違いなく、最悪の留学になりますよ。
「基準が明示されていないおすすめは百害あって一利なし」
このこと、絶対に忘れないでください。
「おすすめの大学」
これにはもう一つとんでもない落とし穴があります。
それは、
★語られていない部分がある
どういうことか?
●上海のど真ん中にあって便利
●知名度が高い
●観光スポットにも近い
たしかにその通りでしょう。
それ自体は事実です。
嘘偽りありません。
が、しかし、
●学費が高い
●日本人と韓国人で全体の8割
●1クラス人数が平均で25人
●寮の一人部屋を予約しにくい
●中国人学生は郊外の新キャンパスにいるので交流しにくい
実はこれもまた、
この大学についての事実だとしたら?
あなたはこの大学を選びますか?
選ぶわけありませんよね?
すべてを語った上で、
「デメリットも確かにあるが、
便利さや知名度を求める人にはおすすめ」
そう書いてあるならば、
この「おすすめ」には価値があります。
ですが、
ほとんどはそうなっていません。
「おすすめ」には語られていない部分がある。
このことも忘れてはいけません。
それから「人気ランキング」
これもまったく無意味です。
100人が○×大学が良いと評価した。
ならば、「一般論として良い大学」とは言えるでしょう。
ですが、
あなたの基準はその100人と本当に同じですか?
同じかどうかを確かめずに、
違うかもしれないリスクに年間100万を投じますか?
さらに、
人気ランキングには大きな落とし穴があります。
スーパービッグな落とし穴が。
ランキングが人気投票だとして、
投票するのは留学経験者ですよね。
○×大学に留学した山本さん。
この山本さん。
留学したことがあるのは○×大学だけです。
○×大学以外は知らないです。
留学期間中に○×大学以外に行く機会なんて皆無ですから。
で、留学ってそれなりに楽しいんです。
どんな大学に行こうと、
それなりに満足できるんです。
他の大学を知っていれば比較ができます。
実は○×大学より良い大学があることも分かる。
そうなれば、▲■大学に投票したかもしれない。
けど、○×大学しか知らない。
だけど、それなりに楽しい留学生活だった。
だから、○×大学に投票した。
人気ランキングってこんなウラがあるんです。
他大学と比較した上での、
純粋な満足度ランキングではないんです。
その結果どうなるか?
留学生数が多い大学が有利になります。
人気ランキングをよく見てください。
ほとんどが大都市圏のメジャー大学、
つまり、
留学生が多い大学ばかりですから。笑
ついでにもう一つ。
「留学経験者の体験談」
「留学生のブログ」
これらも要注意です。
実際にその大学に留学した人の体験談です。
それに価値がないとは言いません。
ですが、
そこに書かれていることは、その大学の一部です。
経験者、ブログの筆者が体験したことだけです。
ですからこれらを読む際にも、
●何を基準に評価しているのか
●語られていない部分に何があるのか
こういった視点が必要です。
そしてさらに、
体験談やブログに書かれていること、
それはすべて、「過去」の情報です。
体験談、ブログを読んだことがある方。
そしてそれを基に大学を選びかけてる方。
その体験談、ブログが書かれた日付を見たことはありますか?
そこに書かれていたことは、
果たして今もそのとおりですか?
「おすすめ大学」
「人気ランキング」
「知り合いのおすすめ」
「経験者の体験談」
それらに乗っかった方が楽です。
大学選びで頭を使う必要もありません。
ですが、
楽して得られるものは所詮はその程度です。
中国留学って、貴重な時間と、
ちょっとやそっとじゃないお金を投じるんです。
手を抜かず、楽をせず、
真剣にジックリ時間をかけて、
他の誰でもないあなた自身の基準で、
あなたにベストな大学を選んでください。
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【今週のまとめ】
1) おすすめの基準は人によって違う
2) おすすめには語られていない部分がある
3) 体験談、ブログにも要注意
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